ウルティメイトフォースゼロ ~Side Story~
第4話 ジャンボット編「エスメラルダ王家の秘密」
著者:
池田遼

ウルトラマンゼロ10周年記念!
アナザースペースでゼロが結成した新たな宇宙警備隊・ウルティメイトフォースゼロ。
そのメンバーそれぞれに焦点を当てた、「時」を巡るオムニバスストーリー。
今回はジャンボット編です。

『ウルトラゼロファイト』から『ウルトラマンジード』までの間に起きた知られざる物語。
悪とのバトルだけではない、全6話のオリジナル小説をお楽しみください。


「いったい、どこへ向かっているのですか?」
惑星エスメラルダの第二王女・エメラナ姫が尋ねた。
ここは惑星エスメラルダ王家に代々仕えてきたスターコルベット・ジャンバードのコックピット。
ジャンバードは、ウルティメイトフォースゼロの一員・ジャンボットが姿を変えた、鳥のような姿の宇宙船だ。非戦闘時、王家の人間を乗せて移動する際は、エネルギー効率などからこの姿で飛ぶことも多い。
「今は申し上げられません。もう少しかかりますので、今はゆっくりおくつろぎください」
コックピット内の装飾が明滅するのに合わせ、ジャンバードの指令中枢である超高度AIである「ジャン」が答える。中央に設置された広々とした椅子に座るエメラナ姫は、冷静な「ジャン」の様子とは裏腹に、どこか焦ったような表情を浮かべながら、困惑した様子で呟いた。
「ですが、惑星アヌー復興計画の修正案にも目を通さなければいけませんし、協力してくださる惑星ワークについても勉強しておかないと……」
ゼロをはじめとする勇者たちの活躍によってベリアル銀河帝国が滅びてから、惑星エスメラルダの時間で約1年が過ぎていた。